音が伝わるということ(2)
音が発生してわたしたちの耳に届き、その音を認識するという過程を追ってみたい。
大まかな流れは次のようになる。
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何らかのものが振動する
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その振動は空気を震わせる(振動させる)
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その空気の震え(振動)がわたしたちの耳に届く
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耳が空気の振動を電気信号に変換する
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それを受けた脳が音として認識する
まずは、1.2.について。まとめていうと、音の大元は振動だということだ。太鼓を叩くという行為を考えてみよう。バチで太鼓の皮を叩くと、その皮は振動する。その振動は周りの空気を振動させることになる。もうひとつ身近な音の代表として声を例にして考えてみよう。こちらは太鼓よりも少し複雑だが、基本は同じだ。
体の中で声が作られる過程を追ってみると、大きく次のような流れになる。
(A)肺から出てきた空気が気管を通り、
(B)その出口にある声帯を震わせ(これが声の元)
(C)その空気の振動が気道(喉や口の奥あたり、共鳴腔ともいう)で大きくされ
(D)口や舌の形を変えて母音・子音などに変化させて口から出る。
つまり、わたしたちは体の様々な器官を大きくまたは微妙に変化させて、空気の振動を作り出しているのだ。その空気の振動の変化の具合により、音量も、音程も、声色(音色)さえもコントロールしている。
音を発するものは形は違えど同じような仕組みになっている。太鼓の場合はバチでその皮を叩くことにより太鼓の皮を振動させているし、ギターやピアノは弦を弾いたり叩いたりして弦を振動させている。スピーカーは電気の力であの丸いコーン紙を前後に振動させている。それぞれの振動は周りの空気を振動させることになり、それが音と呼ばれるものになるということだ。
次は「3.空気の振動が耳に届く」について。普段わたしたちはあまり意識しないが、空気がないと音は伝わらない。正確にいえば耳で音を受け取ることができない。わたしたちの耳は空気の振動を音として認識するように造られているからだ。音は空気の振動であることを考えると、音の発生源とそれを聞く側の耳の間の空気は常に振動しているということになる。
そして4.と5.これはわたしたちの耳がこのように造られているとしか言いようがないのだが、耳に届いた振動は耳の中で複雑に処理され最終的には電気信号に変換されます。それが神経を通り脳までたどり着き、音として認識されることになります。興味のある方はこちらをご覧ください。
長々と書きましたが、ポイントは、「音というのは空気の振動」だということです。
ですが、空気の振動すべてを音として認識できるわけではないのです。そのことは音を伝えるうえでも重要になってきます。